余震と本震の違いとは?どうやって決める?後から本震が変わることもあるのか解説

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地震のニュースを見ていると、「本震」「余震」という言葉がよく出てきます。

しかし、

「最初に起きた大きな地震が本震じゃないの?」
「余震と本震は誰が決める?」
「後からもっと大きな地震が起きたらどうなる?」

と疑問に思ったことはないでしょうか。

実は、地震が発生した直後に「これが本震」と確実に判断できるとは限りません。

ある地震の後にさらに大きな地震が発生し、結果として最初の地震が「前震」だったと分かるケースもあります。

この記事では、余震と本震の違いやどうやって決めるのか、前震との違い、地震直後に本震を断定できない理由についてわかりやすく解説します。


余震と本震の違いとは?

まず、本震と余震の違いを簡単に整理してみましょう。

呼び方 意味
本震 一連の地震活動の中で中心となる大きな地震
余震 本震の後、その周辺で続いて発生する地震
前震 本震より前に発生していた地震のうち、本震と関連すると考えられる地震

一般的には、大きな地震が発生した後、その震源周辺では地震活動が活発になります。

そこで続いて起こる地震が「余震」と呼ばれてきました。

ただし、地震活動は必ず、

前震→本震→余震

という分かりやすい順番になるわけではありません。

ここが地震を理解するうえで重要なポイントです。


本震とは?

本震とは、一連の地震活動の中で中心となる大きな地震を指します。

たとえば、

4月1日 M4.5
4月2日 M5.0
4月3日 M7.0
4月4日 M5.5
4月5日 M4.8

という関連した地震活動があったとしましょう。

結果的に4月3日のM7.0が中心的な地震であれば、これが本震と考えられます。

そして、その前に発生した関連する地震は「前震」、後に続く地震は「余震」と呼ばれる場合があります。

つまり本震という呼び方は、一連の地震活動全体を見て初めて明確になる場合があるのです。


余震とは?

余震とは、一般的には大きな地震が発生した後、その震源域や周辺で引き続き発生する地震をいいます。

大きな地震が発生すると、地下の岩盤にかかっている力の状態が変化します。

その影響によって周辺で地震が続くことがあります。

大きな地震の直後は地震の発生回数が多く、時間が経つにつれて減っていく傾向があります。

しかし、

「3日経ったからもう大丈夫」

「1週間経ったから余震は終わり」

と単純に判断できるものではありません。

大きな地震の後には、しばらく地震活動への注意が必要です。


余震と本震はどうやって決める?

「地震が起きた瞬間、気象庁が本震と余震を決めているのでは?」

と思う人もいるでしょう。

しかし、地震発生直後の時点では、その地震が最終的に一連の活動で最大規模になるか分かりません。

たとえば、M6.5の地震が起きたとします。

かなり大きな地震なので、

「これが本震だろう」

と思ってしまいますよね。

ところが翌日、同じ地域でM7.3の地震が発生したらどうでしょう。

一連の活動を後から見ると、最初のM6.5の地震は「本震」ではなく、より大きな地震に先行した「前震」と位置付けられる可能性があります。

つまり、

本震・前震・余震という分類には、その後の地震活動を見なければ判断できない部分がある

ということです。


「最初に起きた地震=本震」ではない

ここは誤解されやすいポイントです。

地震が、

①大きな地震

②小さな地震

③小さな地震

という順番で起きれば、①を本震、その後を余震と考えやすいでしょう。

しかし実際には、

①大きな地震

②さらに大きな地震

となることがあります。

その場合、①は結果的に前震だったと判断されることがあります。

そのため、大きな地震が一度起きた後に、

「本震が終わったから、あとは小さな余震だけ」

と思い込むのは危険です。


熊本地震では「本震」が後から変わった?

本震と前震の関係を理解する代表的な例が、2016年の熊本地震です。

2016年4月14日夜、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード6.5の地震が発生し、最大震度7を観測しました。

震度7ですから、非常に大きな地震です。

ところが約28時間後の4月16日未明、今度はマグニチュード7.3、最大震度7のさらに大きな地震が発生しました。

結果として、一連の熊本地震では4月16日のM7.3の地震が本震、14日のM6.5の地震は前震と位置付けられました。

つまり、

震度7の地震が起きた後に、さらに大きな本震が発生した

のです。

この出来事は、「最初の大地震が必ず本震とは限らない」ということを広く知らしめるきっかけにもなりました。


そもそも「前震」は起きた時点では分からない

「それなら前震が起きたときに教えてほしい」

と思いますよね。

しかし、これが難しいところです。

前震とは、後から本震が発生したことで初めて「前震だった」と分かる性質のものだからです。

たとえば今日M5.5の地震が起きたとして、

「これは明日起こるM7の地震の前震です」

と確実に判断することは現在の科学ではできません。

そのまま大きな地震が発生しなければ、その地震を前震と呼ぶ必要もありません。

つまり、

前震は「未来の本震を知らせてくれる地震」というより、後から振り返ったときの分類

と考えると分かりやすいでしょう。


本震より大きな余震はある?

これも面白い疑問です。

「本震の後に、本震より大きな余震が起きたらどうなる?」

もし同じ一連の地震活動として扱われる中で、その後にさらに大きな地震が発生した場合、地震の位置付け自体を見直す必要が出てきます。

つまり、

「本震より大きな余震が来た!」

というより、

「それまで本震と思われていた地震が、結果的に前震だった」

という整理になる場合があります。

だからこそ、大きな地震の直後に「もう本震は終わった」と安心するのは禁物なのです。


本震と余震は震度で決めるの?

本震と余震は、単純に震度だけで決めるわけではありません。

ここで「マグニチュード」と「震度」の違いも理解しておきましょう。

マグニチュード(M)
→ 地震そのものの規模

震度
→ ある場所でどのくらい揺れたか

です。

1つの地震でも、震源に近い地域では震度6弱、離れた地域では震度3ということがあります。

つまり震度は場所によって変わります。

一方、マグニチュードはその地震自体の規模を表す指標です。

本震や余震について考える場合には、地震の規模だけでなく、震源の位置や地震活動の関連性などを総合的に見る必要があります。


余震は本震より必ず小さい?

多くの場合、本震後に発生する地震は本震より規模が小さくなります。

しかし、防災上は、

「余震だから大したことはない」

と考えないことが重要です。

本震によって建物が損傷していると、その後の比較的小さな地震でも被害が拡大する可能性があります。

たとえば最初の大地震で、

  • 壁にひびが入った
  • 屋根瓦がずれた
  • ブロック塀が傾いた
  • 家具が不安定になった
  • 崖が崩れやすくなった

といった状態になっていれば、その後の揺れが新たな被害につながることがあります。

「本震より小さいから安全」とは限らないのです。


なぜ「余震」という言葉をあまり使わなくなったの?

近年の地震情報を見て、

「昔より『余震』という言葉を聞かなくなった気がする」

と感じた人もいるかもしれません。

実は気象庁は、2016年の熊本地震を踏まえ、大地震後の防災上の呼びかけ方を見直しました。

「余震」という言葉には、

「最初の地震より小さい地震しか来ない」

という印象を与えてしまう可能性があるためです。

そこで現在は、大地震後の呼びかけで単純に「余震に注意」とするのではなく、同程度の地震への注意を促す表現が重視されています。

熊本地震のように、最初の大地震よりさらに規模の大きな地震が後から発生する可能性を否定できないからです。


大地震の後は「1週間程度」が特に重要

大きな地震が起きた後、気象庁などから、

「今後1週間程度、同程度の地震に注意してください」

といった呼びかけが行われることがあります。

特に最初の数日間は注意が必要とされます。

ただし、これは、

「1週間を過ぎれば地震が起きない」

という意味ではありません。

地震活動が長期間続くケースもあります。

あくまで大地震の直後ほど地震発生の可能性が相対的に高いという考え方です。


大きな地震の後にやってはいけないこと

大きな地震がおさまると、

「もう揺れは終わった」

と思ってすぐ普段の生活へ戻りたくなります。

しかし、しばらくは次の地震を想定して行動することが重要です。

特に、

倒れかけた家具をそのままにする
壊れかけたブロック塀へ近づく
崖や斜面の近くへ行く
海岸で津波情報を確認せず行動する
停電したからといって裸火を不用意に使う

といった行動には注意しましょう。

建物に大きな損傷がある場合は、無理に中へ戻らないことも大切です。


夜に大きな地震が起きたら枕元に置いておきたいもの

大きな地震の後は、その日の夜にも再び強い揺れが起きる可能性を考えておきましょう。

枕元には、

  • 靴やスリッパ
  • 懐中電灯
  • スマートフォン
  • モバイルバッテリー
  • メガネ
  • 必要な防災用品

などを準備しておくと安心です。

特に靴は重要です。

大きな地震で窓ガラスや食器が割れていると、停電した暗い室内を裸足で歩いてけがをする可能性があります。


「余震だから大丈夫」という思い込みが一番危険

地震後のニュースで、

「余震とみられる地震が発生しました」

と聞くと、なんとなく安心してしまうことがあります。

しかし、防災の観点では「名前」よりも実際の揺れに備えることが重要です。

大きな地震の後は、

また強く揺れるかもしれない

という前提で行動しましょう。

特に最初の地震で被害を受けた場所では、その後の地震によって被害が拡大する可能性があります。


前震・本震・余震を簡単に覚えるなら?

最後に、3つの違いを簡単に整理してみましょう。

前震

本震より前に発生した関連する地震。

ただし、発生した瞬間に「これは前震」と確実に分かるわけではないのがポイントです。

本震

一連の地震活動の中心となる大きな地震。

後からさらに大きな地震が発生すると、それまで本震と思われていた地震の位置付けが変わる場合があります。

余震

本震後に震源域やその周辺で続く地震。

ただし、防災上は「余震だから小さい」と油断しないことが重要です。


余震と本震の違い・どうやって決めるのかまとめ

余震と本震の大きな違いは、一連の地震活動の中でどのような位置付けにある地震なのかという点です。

簡単にいえば、

本震=一連の活動の中心となる大きな地震

余震=本震後、その周辺で続いて発生する地震

前震=後から本震が発生したことで、先行していたと分かる地震

となります。

特に覚えておきたいのが、地震が発生した直後には、それが最終的な「本震」なのか分からないことがあるという点です。

2016年の熊本地震では、4月14日にM6.5・最大震度7の地震が発生した後、約28時間後の16日にM7.3・最大震度7のさらに大きな地震が発生しました。

このため、最初の大地震は結果的に「前震」、後の地震が「本震」と位置付けられました。

大地震の後に重要なのは、

「本震が終わったから、あとは小さな余震だけ」

と考えないことです。

大きな地震が発生した後は、気象庁や自治体などの最新情報を確認しながら、再び強い揺れが起きる可能性を考えて安全を確保しましょう。

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