意識不明と心肺停止の違いとは?呼吸や脈はある?意味や救命処置をわかりやすく解説

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事故や災害、急病などのニュースでよく聞くのが、**「意識不明」と「心肺停止」**という言葉です。

「意識不明なら心臓は動いているの?」

「心肺停止と意識不明はどちらが重い?」

「意識がない人にAEDを使っていい?」

など、違いが分かりにくいと感じる人も多いでしょう。

結論からいうと、大きな違いは心臓や呼吸の状態です。

意識不明=呼びかけなどに反応がない状態。ただし、自発呼吸や心臓の働きが保たれている場合がある

心肺停止=心臓の有効な拍動と正常な呼吸がない、直ちに心肺蘇生が必要な状態

と考えると分かりやすいでしょう。

重要なのは、心肺停止になった人も通常は意識がありません。そのため「意識不明」と「心肺停止」は完全に別々の状態ではないという点です。

また、一般の人が倒れている人を発見した場合、脈拍の有無を時間をかけて確認するより、反応と呼吸を確認し、反応がなく正常な呼吸がなければ119番通報、胸骨圧迫、AEDなどの救命処置につなげることが重要です。日本赤十字社も、意識障害・呼吸停止・心停止などは直ちに手当と通報が必要な状態としています。

この記事では「意識不明と心肺停止の違い」について、意味や呼吸・脈拍との関係、AEDを使うケースなどを初心者向けに解説します。


意識不明と心肺停止の違いを簡単に比較

まずは大まかな違いを整理してみましょう。

比較 意識不明 心肺停止
意識 ない ない
呼びかけへの反応 基本的にない ない
心臓 動いている場合がある 有効な拍動がない
正常な呼吸 ある場合がある ない
緊急性 非常に高い 極めて高い
心肺蘇生 状態による 直ちに必要
AED 意識がないだけでは判断しない できるだけ早く準備・使用

つまり、

「意識がない」だけでは心肺停止とは限らない

ということです。

一方、心肺停止なら通常、意識もありません。


そもそも「意識不明」とは?

意識不明とは一般に、呼びかけたり刺激したりしても反応がみられない状態を表す言葉です。

ただし「意識不明」という言葉だけでは、

心臓が動いているか

呼吸しているか

どの程度重い状態なのか

までは分かりません。

たとえば、脳卒中や重い頭部外傷などで意識を失っていても、自分で呼吸し、心臓が動いている場合があります。

そのため、

意識不明=心肺停止

ではありません。

日本赤十字社も傷病者を観察する際、「反応(意識)」「呼吸」「脈拍」などを別々の生命徴候として挙げています。


心肺停止とは?

心肺停止とは、一般的には心臓の有効な拍動と正常な呼吸が停止している状態を指します。

全身へ血液を送り出せなくなるため、脳などの重要な臓器へ十分な酸素が届かなくなります。

そのため一刻を争います。

心停止が疑われる人には、

119番通報

AEDを手配

胸骨圧迫などの心肺蘇生

AEDが到着したら使用

という迅速な対応が重要になります。

日本赤十字社も、呼吸や心臓が止まった場合、救急隊が到着するまでに周囲の人がすぐ手当を行うことが救命につながるとしています。


心肺停止になると意識もなくなる?

基本的には、心停止になると意識・反応も失われます。

心臓から脳へ十分な血液が送られなくなるためです。

したがって関係を簡単に表すと、

意識不明
→心肺停止とは限らない

心肺停止
→通常は意識もない

となります。

ここが「意識不明と心肺停止の違い」を理解するうえで重要です。


意識不明でも呼吸していることはある?

あります。

たとえば何らかの原因によって意識を失っていても、自発呼吸が残っている場合があります。

つまり、

意識なし+正常な呼吸あり

という状態はあり得ます。

ただし、意識がない状態そのものが生命に関わる可能性のある緊急事態です。

日本赤十字社も意識障害を「直ちに手当・通報すべき傷病」に含めています。 (日本赤十字社)


「意識不明だけど脈はある」はあり得る?

あり得ます。

意識と心臓の働きは同じものではありません。

そのため、

意識はない

心臓は動いている

自分で呼吸している

というケースもあります。

逆に、反応がなく正常な呼吸もない場合には心停止を疑い、救命処置を開始する必要があります。


「意識不明」と「意識不明の重体」は違う?

ニュースでは、

「意識不明の重体」

という表現もよく聞きます。

「重体」は一般に、生命に危険がある非常に重い状態を表す際に使われます。

したがって「意識不明の重体」は、

意識がなく、生命にも危険が迫っている深刻な状態

という意味合いで使われます。

ただし、これも「心肺停止」と同じ意味ではありません。


「意識不明の重体」なら心臓は動いている?

「意識不明の重体」という報道だけから、心臓や呼吸の具体的な状態を断定することはできません。

ただし、報道で「心肺停止」と明確に伝えられている場合とは表現が異なります。

意識不明=意識の状態を表す

重体=生命の危険性を表す

心肺停止=心臓・呼吸の状態を表す

という違いを知っておくと、ニュースが理解しやすくなります。


心肺停止と死亡は同じ?

ここもニュースを見ていて疑問に思うところでしょう。

心肺停止と「死亡が確認された」という表現は同じではありません。

心肺停止は、心臓の有効な拍動や正常な呼吸がない状態を表しています。

一方、「死亡確認」は医師などが所定の確認を行ったことを意味します。

そのため事故報道などでは、

「心肺停止の状態で病院へ搬送された」

という表現が使われ、その後、

「病院で死亡が確認された」

と報じられることがあります。


心肺停止から助かることはある?

あります。

心停止が起きても、迅速な心肺蘇生やAED、医療処置によって心拍が再開する可能性があります。

特に突然の心停止では、心室細動という不整脈が原因となることがあり、その場合にはAEDによる電気ショックが重要になります。

日本赤十字社によると、心室細動では心停止から電気ショックまでの時間が救命の成否を左右する重要な要因です。

だからこそ、救急車が到着するまで何もしないのではなく、その場にいる人による救命処置が重要なのです。


AEDは何をする機械?

AEDは自動体外式除細動器です。

心臓が正常に血液を送り出せない危険な不整脈になっている場合に、電気ショックによって正常なリズムへ戻すことを試みます。

ここで重要なのが、

AEDを装着したら必ず電気ショックが流れるわけではない

ということです。

AEDが心電図を自動解析し、電気ショックが必要かどうか判断します。 (日本赤十字社)


意識不明の人にAEDを使っていい?

「意識がない」という理由だけで、無条件に電気ショックをするわけではありません。

一般市民による一次救命処置では、反応がなく、正常な呼吸がない、または正常かどうか判断できない場合には心停止を疑って対応することが重要です。

119番通報し、AEDを持ってきてもらい、必要に応じて胸骨圧迫を開始します。

AEDが到着したら電源を入れ、音声案内に従います。

電気ショックが必要かどうかはAED自身が解析して判断します。 (日本赤十字社)


「呼吸しているように見える」心停止もある?

ここは非常に重要です。

心停止直後には、**「死戦期呼吸」**と呼ばれる異常な呼吸がみられることがあります。

たとえば、

「しゃくり上げるような呼吸」

「あえぐような呼吸」

などです。

一見すると「まだ呼吸している」と思ってしまう可能性がありますが、正常な呼吸ではありません。

日本赤十字社も、心停止した人で弱く呼吸しているように見えたため周囲がAEDの使用をためらった事例を紹介し、それが死戦期呼吸だったと説明しています。 (日本赤十字社)


脈を確認しなくてもいいの?

「心停止なら、まず手首の脈を測ればいいのでは?」

と思うかもしれません。

しかし一般の人が緊急時に脈拍を正確に判断するのは簡単ではありません。

そのため救命処置では、脈を探すことに時間をかけるより、

反応があるか

正常な呼吸があるか

を確認することが重要です。

判断に迷って救命処置が遅れることのほうが問題になります。


倒れている人を発見したらどうすればいい?

一般的な流れを簡単に整理すると、

  1. 周囲が安全か確認する
  2. 肩などをたたきながら呼びかけ、反応を確認する
  3. 反応がなければ119番通報し、周囲の人にAEDを依頼する
  4. 正常な呼吸があるか確認する
  5. 正常な呼吸がなければ胸骨圧迫を開始する
  6. AEDが届いたら電源を入れ、音声案内に従う
  7. 救急隊へ引き継ぐまで必要な処置を続ける

という流れになります。

日本赤十字社では、反応・呼吸の確認、胸骨圧迫、AEDなどを一次救命処置として案内しています。


胸骨圧迫は心臓を動かしているの?

胸骨圧迫は、胸を繰り返し圧迫することで心臓から血液を送り出す働きを外部から補助する処置です。

心停止すると、脳などへ十分な血液と酸素が届かなくなります。

そこで救急隊が到着するまで胸骨圧迫を続け、重要な臓器への血流をできるだけ維持します。

AEDによる電気ショックと胸骨圧迫は役割が異なるため、どちらも重要です。


AEDを使ったら心臓が必ず動き出す?

必ずではありません。

映画やドラマでは、

「心臓が止まる→AEDでショック→すぐ目を覚ます」

という描写がありますが、実際はそれほど単純ではありません。

AEDが電気ショックを行うのは、心室細動などショックが有効と判断された心電図波形の場合です。

AEDが「ショックは不要です」と判断することもあります。

その場合も、音声案内などに従って必要な胸骨圧迫を続けます。 (日本赤十字社)


意識不明になる原因は?

意識を失う原因は非常に多くあります。

たとえば、

  • 脳卒中
  • 頭部外傷
  • けいれん
  • 低血糖
  • 中毒
  • 熱中症
  • 酸素不足
  • 重い感染症
  • 循環器疾患

などです。

一時的な失神のようなケースもありますが、一般の人がその場で原因を正確に判断するのは困難です。

反応が戻らない場合や状態がおかしい場合は、自己判断せず119番通報することが重要です。


心肺停止になる原因は?

心停止にもさまざまな原因があります。

代表的には、

  • 心筋梗塞などの心疾患
  • 重い不整脈
  • 窒息
  • 溺水
  • 大量出血
  • 重度の外傷

などがあります。

原因によって必要となる医療処置は異なりますが、一般市民がその場で原因を確定する必要はありません。

まず心停止を疑ったら、迅速に救命処置につなげることが重要です。


意識不明から心肺停止になることもある?

あります。

最初は、

意識なし

呼吸あり

心臓は動いている

という状態でも、その後状態が悪化して呼吸や心臓が停止する可能性があります。

そのため「呼吸しているからもう大丈夫」と放置するのは危険です。

日本赤十字社も、反応や呼吸がある場合でも生命の危険が迫っているケースがあると注意を促しています。


「心停止」と「心肺停止」の違いは?

日常では似た意味で使われることがあります。

心停止は、心臓が有効に血液を送り出せなくなった状態に注目した表現です。

心停止になれば脳などへ酸素が届かなくなり、正常な呼吸も維持できなくなります。

そのため救命処置の文脈では「心停止」「心肺停止」という言葉を目にすることがあります。

一般の人が現場で言葉の違いを判断する必要はなく、反応がなく正常な呼吸がなければ、心停止を疑って行動することが重要です。


「心肺停止」と「心肺機能停止」は違う?

ニュースでは、

「心肺停止」

のほか、

「心肺機能停止」

という表現が使われることがあります。

どちらも心臓や呼吸の機能が停止した非常に危険な状態を示す文脈で使われます。

事故や災害報道では「心肺停止の状態で発見された」といった表現が一般的です。


意識不明と心肺停止、どちらが危険?

どちらも緊急性の高い状態ですが、心肺停止はその瞬間から心肺蘇生などの救命処置が必要となる極めて切迫した状態です。

ただし、

「意識不明なら心肺停止より軽い」

と考えるのも危険です。

意識不明の原因によっては生命に関わり、その後心停止へ移行する可能性もあります。

意識障害・呼吸停止・心停止はいずれも直ちに対応すべき状態です。


ニュースで「意識不明」と「心肺停止」を使い分ける理由

ニュースで、

「男性が意識不明の状態で搬送されました」

と報じられる場合と、

「男性が心肺停止の状態で発見されました」

と報じられる場合があります。

これは伝えている身体状態が異なるからです。

意識不明
→主に意識・反応の状態について伝えている

心肺停止
→心臓と呼吸の機能が停止している状態を伝えている

という違いがあります。

ただし報道表現だけから、傷病者の詳しい医学的状態や予後を推測することはできません。


意識不明と心肺停止についてよくある質問

Q. 意識不明なら心臓は動いている?

動いている場合があります。「意識不明」は主に意識・反応の状態を示す言葉なので、それだけで心臓が止まっているとは判断できません。

Q. 意識不明でも呼吸している?

正常な自発呼吸がある場合があります。ただし意識がない状態は緊急性が高いため、速やかな対応が必要です。

Q. 心肺停止でも呼吸しているように見えることはある?

あります。心停止直後に死戦期呼吸と呼ばれる、あえぐような異常な呼吸がみられる場合があります。正常な呼吸ではありません。

Q. 心肺停止なら死亡している?

心肺停止と死亡確認は同じ意味ではありません。迅速な心肺蘇生やAED、医療処置によって心拍が再開する可能性があります。

Q. AEDは意識不明なら使う?

意識がないだけで判断するのではなく、反応がなく正常な呼吸もない場合には心停止を疑います。119番通報・AEDの手配・胸骨圧迫を行い、AEDが届いたら音声案内に従います。

Q. AEDを間違って使ったら電気ショックされる?

AEDは心電図を解析し、電気ショックが必要かどうかを判断します。ショックが必要でない場合には、AEDがショックを指示しません。


まとめ|意識不明は「反応がない」、心肺停止は「正常な呼吸と心臓の働きがない」

意識不明と心肺停止の違いを簡単にまとめると、

意識不明
=呼びかけなどに反応しない状態。心臓が動き、正常な呼吸がある場合もある

心肺停止
=心臓の有効な拍動と正常な呼吸がなく、直ちに救命処置が必要な状態

です。

つまり、

「意識不明=心肺停止」ではありません。

一方、心肺停止になれば脳へ十分な血液が送られなくなるため、通常は意識・反応も失われます。

そして実際に目の前で人が倒れた場合に重要なのは、自分で「意識不明なのか心肺停止なのか」を完璧に診断しようとしないことです。

反応がなく正常な呼吸がなければ、119番通報してAEDを手配し、胸骨圧迫などの一次救命処置を開始することが重要です。

また、「あえぐように呼吸しているから心停止ではない」と判断するのも危険です。心停止直後には正常な呼吸とは異なる死戦期呼吸がみられることがあります。

ニュースで「意識不明」「心肺停止」という言葉を聞いたときは、意識の状態を示しているのか、心臓・呼吸の状態を示しているのかに注目すると、その違いが分かりやすくなるでしょう。

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