「キャンセル料と違約金って何が違うの?」
「ホテルをキャンセルしたときに請求されるのは違約金?」
「契約を途中でやめると、どちらを払うことになる?」
このように疑問に思ったことはありませんか。
キャンセル料と違約金は、どちらも「契約をやめたときなどに支払うお金」というイメージがあるため、混同されやすい言葉です。
簡単にいうと、
キャンセル料=予約や契約を取り消したことに伴って発生する料金
違約金=契約上の約束に違反した場合に、契約などに基づいて支払う金銭
という違いがあります。
ただし、名称だけで法律上の性質が決まるわけではありません。
「キャンセル料」という名称でも、契約内容によっては損害賠償額の予定や違約金として扱われることがあります。
この記事では、キャンセル料と違約金の違いを、ホテルや旅行、賃貸など身近な例を使ってわかりやすく解説します。
キャンセル料と違約金の違い
まずは違いを簡単に比較してみましょう。
| 比較項目 | キャンセル料 | 違約金 |
|---|---|---|
| 主な意味 | 予約・契約をキャンセルした際に発生する料金 | 契約上の義務に違反した場合などに支払う金銭 |
| よく使われる場面 | ホテル、旅行、飲食店、航空券など | 賃貸、サービス契約、各種取引など |
| 発生するタイミング | 予約や契約を取り消したとき | 契約で定められた義務に違反したときなど |
| 金額 | キャンセル時期などによって変わることが多い | 契約であらかじめ定められている場合がある |
| 法律上の扱い | 内容によって損害賠償額の予定などになることがある | 契約内容や法令によって判断される |
日常生活で特によく目にするのはキャンセル料です。
ホテルを直前にキャンセルして、
「宿泊料金の50%」
「当日キャンセルは100%」
などを請求されるケースが代表例です。
一方、違約金は契約上の約束を守らなかったことを理由として発生する金銭という意味合いが強くなります。
キャンセル料とは?
キャンセル料とは一般的に、予約したサービスなどを利用者側の都合で取り消した場合に発生する料金です。
たとえばホテルを1泊10,000円で予約したとしましょう。
宿泊施設のキャンセルポリシーに、
「3日前から30%」
「前日は50%」
「当日は100%」
と書かれていれば、キャンセルするタイミングによって支払額が変わります。
直前にキャンセルされると、ホテル側が別の宿泊客を確保できず、損失が発生する可能性があります。
こうした事情からキャンセル料が設定されています。
ホテル以外にも、
旅行ツアー
レストラン
航空券
高速バス
レンタカー
美容院
結婚式場
など、さまざまなサービスでキャンセル料が設定されています。
違約金とは?
違約金とは、契約で決められた約束に違反した場合などに支払うことが定められている金銭です。
民法では、当事者が違約金を定めた場合、原則として損害賠償額の予定と推定する規定があります。
つまり、
「契約違反が起きた場合にいくら支払うかをあらかじめ決めておく」
という形で使われることがあります。
たとえば契約書に、
「契約期間内に一定の条件に反して解約した場合は○万円を支払う」
などと定められているケースです。
ただし、契約書に「違約金」と書かれていれば、どのような金額でも必ず有効になるという意味ではありません。
消費者契約法などによって無効になる部分が生じる場合もあります。
キャンセル料も違約金になることがある?
ここが少しややこしいポイントです。
「キャンセル料」と「違約金」は名称だけでは完全に区別できません。
たとえばホテルが「キャンセル料」と表示していても、その料金が法律上は契約解除に伴う損害賠償額の予定などとして位置づけられることがあります。
逆に「違約金」と書かれていても、契約内容や実際の目的を確認しなければ法的な性質は判断できません。
つまり、
キャンセル料=必ず○○という法律上の分類
と単純に決まるものではないのです。
実際にトラブルになった場合は、名称だけではなく契約内容や利用規約などを確認することが重要です。
ホテルの場合はキャンセル料?違約金?
ホテルや旅館の予約を取り消した場合は、一般的にはキャンセル料という言葉が使われます。
たとえば、
宿泊7日前まで:無料
3日前:宿泊料金の30%
前日:50%
当日:100%
無連絡キャンセル:100%
といったキャンセルポリシーです。
ただし実際の条件はホテルや予約プランによって大きく異なります。
特に、
「キャンセル不可プラン」
には注意が必要です。
通常プランより安い代わりに、予約完了後からキャンセル料100%などの条件が設定されている場合があります。
予約ボタンを押す前にキャンセル条件を確認しましょう。
台風でホテルをキャンセルしても料金はかかる?
旅行で特に気になるのが台風や大雪などの場合です。
「台風だから行けないのにキャンセル料を払うの?」
と思うかもしれません。
しかし、台風が来たから自動的にキャンセル料が無料になるとは限りません。
ホテルが通常営業していて、宿泊者側の判断で旅行を取りやめた場合は、通常のキャンセルポリシーが適用されることがあります。
一方、
ホテル自体が営業できない
航空便が欠航した
鉄道が運休した
旅行会社がツアーを中止した
などの事情によって取り扱いが変わる可能性があります。
台風や大雪の場合は自己判断でキャンセル手続きをする前に、ホテルや旅行会社へ確認するとよいでしょう。
賃貸住宅の場合は?
賃貸契約では「違約金」という言葉を見かけることがあります。
代表的なのが短期解約違約金です。
たとえば、
「入居から1年未満で解約した場合、賃料1か月分の違約金」
などの特約が設定されているケースがあります。
これはホテルの予約キャンセルとは性格が異なり、契約で定められた期間より早く解約したことなどを理由として支払いが発生するものです。
賃貸契約を途中で解約する場合は、
解約予告期間
短期解約違約金
退去費用
などを契約書で確認しておきましょう。
携帯電話の解約では?
携帯電話では以前、「2年縛り」や高額な契約解除料が話題になることがありました。
現在は携帯電話の契約解除料に関するルールが見直されており、以前とは状況が大きく変わっています。
ただし、端末代金の残債やキャンペーン条件、一定の利用実態がない短期解約など、契約によって確認すべき項目があります。
携帯電話会社を乗り換えるときは、
「解約金があるか」だけではなく、端末代金の残りや割引条件も確認する
ことが重要です。
キャンセル料はいつから発生する?
キャンセル料がいつから発生するかは、サービスによって異なります。
ホテルなら、
「7日前から」
「3日前から」
「前日から」
などさまざまです。
さらに同じホテルでもプランによって条件が違うことがあります。
たとえば通常プランなら前日までキャンセル無料でも、早期割引プランでは予約直後からキャンセル料が発生する場合があります。
そのため、
「このホテルは前日まで無料だったはず」
と過去の経験だけで判断するのは危険です。
予約ごとのキャンセルポリシーを確認しましょう。
キャンセル料を払わないとどうなる?
正当に発生したキャンセル料を支払わずに放置するのはおすすめできません。
事業者から、
メール
電話
書面
などで支払いを求められる可能性があります。
それでも支払わない場合、状況によっては法的な手続きにつながる可能性もあります。
「納得できないキャンセル料だから無視する」のではなく、まず事業者に、
「なぜこの金額が請求されているのか」
を確認しましょう。
請求内容に疑問があり、事業者との話し合いでも解決しない場合は、消費生活センターなどへ相談する方法もあります。
キャンセル料はいくらでも設定できる?
事業者が自由にどんな高額なキャンセル料でも請求できる、というわけではありません。
消費者と事業者との契約には消費者契約法が関係する場合があります。
契約解除に伴う損害賠償額の予定や違約金について、事業者に生ずべき平均的な損害を超える部分は無効とされるルールがあります。
そのため、
「キャンセルしたら100万円」
などと規約に書いてあったとしても、それだけで当然に全額が有効になるとは限りません。
もっとも、適切な金額かどうかは契約内容やサービスなどによって異なります。
キャンセル料を請求されたら確認すること
予想していなかったキャンセル料や違約金を請求された場合は、慌てず内容を確認しましょう。
特に重要なのは、
予約時のキャンセルポリシー
利用規約
契約書
キャンセルした日時
サービス提供予定日
請求金額の計算方法
です。
オンライン予約なら、予約完了メールにキャンセル条件が記載されていることがあります。
旅行予約サイトの場合は、予約サイト全体のルールではなく、予約したホテルやプラン固有のキャンセル条件も確認してください。
キャンセル料は返金してもらえる?
すでにキャンセル料を支払った場合でも、事情によっては返金について相談できるケースがあります。
ただし、
「利用しなかったから必ず返金される」
わけではありません。
予約時に同意したキャンセル条件などによって判断されます。
一方で、事業者側の都合でサービスが提供されなかった場合などは状況が異なります。
返金の可否については、契約条件やキャンセル理由を確認したうえで事業者へ問い合わせましょう。
「キャンセル料無料」はいつまでか確認する
旅行予約サイトなどでは、
「キャンセル無料」
と大きく表示されていることがあります。
しかし、よく見ると、
「○月○日23時59分まで無料」
など期限が設定されています。
期限を1分でも過ぎればキャンセル料が発生する契約になっている場合もあります。
旅行の予定が変わる可能性があるなら、
キャンセル無料の期限を予約した時点で確認しておく
ことが大切です。
スマートフォンのカレンダーなどに期限を登録しておくのもよいでしょう。
キャンセル料と違約金についてよくある質問
キャンセル料と違約金は同じもの?
必ずしも同じではありません。
一般的には、キャンセル料は予約や契約を取り消した際に発生する料金、違約金は契約上の約束に違反した場合などに支払う金銭を指します。
ただし法律上の扱いは名称だけではなく、契約内容によって判断されます。
ホテルのキャンセル料は違約金?
一般には「キャンセル料」と呼ばれますが、法的には損害賠償額の予定などの性質を持つ場合があります。
キャンセル料を払わなくても大丈夫?
正当に発生した料金であれば、支払いを求められる可能性があります。
納得できない場合は放置せず、請求の根拠を事業者へ確認しましょう。
当日キャンセルは100%請求される?
ホテルやサービスのキャンセルポリシーによります。
当日100%としている施設もありますが、すべてのサービスで一律100%というルールではありません。
無断キャンセルと当日キャンセルは同じ?
同じとは限りません。
「当日キャンセル100%」「無連絡キャンセル100%」など同額の場合もありますが、事業者によって条件が異なります。
病気ならキャンセル料は無料になる?
病気を理由に自動的に無料になるとは限りません。
事情を考慮して柔軟に対応してくれる事業者もありますが、基本的には予約時のキャンセル条件を確認する必要があります。
まとめ|キャンセル料と違約金は似ているが意味が違う
キャンセル料と違約金は、どちらも契約に関連して支払うことがあるお金ですが、一般的な意味には違いがあります。
キャンセル料は、ホテルや旅行などの予約・契約を取り消した際に発生する料金。
一方、
違約金は、契約上の約束に違反した場合などに、契約に基づいて支払う金銭です。
ただし「キャンセル料」「違約金」という名称だけで法律上の性質が決まるわけではありません。
実際に支払い義務があるのか、金額が適切なのかについては、契約内容や利用規約、適用される法律などを確認する必要があります。
ホテルや旅行などを予約するときは料金だけを見るのではなく、「いつから、いくらキャンセル料が発生するのか」まで確認してから申し込むことがトラブルを防ぐポイントです。

