台風や集中豪雨の際、ニュースやスマートフォンに、
「大雨警報が発表されました」
「洪水警報が発表されました」
と通知が届くことがあります。
どちらも大雨のときに発表されるため、
「大雨警報と洪水警報は何が違うの?」
「どっちの方が危険?」
「両方出たら避難した方がいい?」
と迷う人も多いのではないでしょうか。
簡単にいうと、大雨警報は大雨による土砂災害や浸水害への警戒を呼びかける警報、洪水警報は大雨などによって河川が増水・氾濫するおそれがある場合に警戒を呼びかける警報です。
この記事では、大雨警報と洪水警報の違いから、大雨特別警報との違い、警報が出たら学校や会社は休みになるのか、避難するタイミングまでわかりやすく解説します。
大雨警報と洪水警報の違い
まず違いを簡単に比較してみましょう。
| 比較 | 大雨警報 | 洪水警報 |
|---|---|---|
| 主な原因 | 大雨 | 大雨・融雪など |
| 警戒する災害 | 土砂災害・浸水害 | 河川の増水・氾濫 |
| 特に注意する場所 | 崖・山の近く、低い土地など | 川や水路の周辺など |
| 気象庁から発表 | される | される |
| 同時発表 | あり得る | あり得る |
覚え方としては、
大雨警報=「降った雨による災害」に警戒
洪水警報=「川の増水などによる災害」に警戒
と考えるとわかりやすいでしょう。
大雨警報とは?
大雨警報は、大雨によって重大な災害が発生するおそれがあると予想された場合に発表されます。
対象となる主な災害は、
土砂災害
と
浸水害
です。
例えば山や崖の近くでは、雨によって地盤が緩み、がけ崩れや土石流などが発生する危険性があります。
一方、住宅地などでは大量の雨を排水しきれなくなり、道路や建物が浸水する可能性があります。
そのため大雨警報が発表された場合には、「自宅の近くに川がないから大丈夫」と判断するのは危険です。
洪水警報とは?
洪水警報は、大雨や融雪などによって河川が増水し、重大な洪水災害が発生するおそれがある場合に発表される警報です。
特に、
「自宅の近くに川がある」
「川沿いの地域に住んでいる」
「低い土地に住んでいる」
といった場合には注意が必要です。
上流で大量の雨が降ると、自分がいる場所では雨が弱くなっていても、時間差で川の水位が上昇することがあります。
つまり、「雨がやんだから洪水の危険もなくなった」とは限らない点が重要です。
大雨警報と洪水警報が同時に出るのはなぜ?
大雨警報と洪水警報が同時に発表されることも珍しくありません。
例えば台風によって大量の雨が降ったとします。
雨によって、
山では土砂災害の危険性が高まる
↓
住宅地では浸水の危険性が高まる
↓
川では水位が上昇する
というように、複数の災害が同時に発生する可能性があります。
この場合、大雨警報と洪水警報が同時に発表されることがあります。
同じ雨でも、警戒している「災害の種類」が違うわけです。
大雨警報と洪水警報はどっちが危険?
結論からいうと、
「大雨警報より洪水警報の方が危険」といった単純な比較はできません。
それぞれ警戒している災害が違うからです。
例えば山の斜面の近くに住んでいる人なら、大雨による土砂災害が大きな危険になります。
一方、大きな河川の近くに住んでいる人なら洪水への警戒が重要になります。
また、同じ市町村内でも場所によって危険性は大きく異なります。
重要なのは「どちらの警報が上なのか」ではなく、自宅や現在地で何の災害が起きる可能性があるのかを確認することです。
「洪水」と「浸水」は何が違う?
ここも混同しやすいポイントです。
道路が水浸しになっている映像を見ると、すべて「洪水」に見えるかもしれません。
しかし災害情報を理解するうえでは、原因を分けて考えることが重要です。
例えば短時間に大量の雨が降り、下水道や排水設備で処理できなくなって道路などが水につかるケースがあります。
これは「内水氾濫」と呼ばれることがあります。
一方、川の水位が上昇して堤防を越えたり、堤防が決壊したりして水が流れ込むケースは河川の氾濫です。
そのため、
大雨警報(浸水害)=大雨による浸水への警戒
洪水警報=河川の増水・氾濫などへの警戒
という違いを覚えておくとニュースが理解しやすくなります。
大雨特別警報との違いは?
さらに重大な状況になると「大雨特別警報」が発表されることがあります。
大雨特別警報は、台風や集中豪雨によって数十年に一度程度の降雨量となる大雨が予想される場合など、重大な災害が発生するおそれが著しく大きい状況で発表されます。
ただし、非常に重要なのは、
「大雨特別警報が出るまで避難しなくていい」という意味ではない
ということです。
特別警報が発表される段階では、すでに何らかの災害が発生している可能性もあります。
避難が必要な地域では、自治体から発令される避難情報などを確認して早めに行動することが重要です。
警報が出たらすぐ避難するべき?
「大雨警報が出た=全員がすぐ避難所へ行く」という意味ではありません。
避難の必要性は、
- 自宅が土砂災害警戒区域にあるか
- 洪水浸水想定区域にあるか
- 川や崖からどのくらい離れているか
- 建物の階数や構造
- 自治体から避難情報が出ているか
などによって変わります。
そこで確認したいのがハザードマップです。
自宅や勤務先、旅行先などに「洪水」「土砂災害」「浸水」などの危険があるかを平常時から確認しておくと、警報が出た際に判断しやすくなります。
警戒レベルとの関係は?
災害時には「警戒レベル3」「警戒レベル4」といった言葉も使われます。
ここで注意したいのが、気象庁の警報と自治体の避難情報は同じものではないことです。
住民が避難行動を判断する際には、自治体が発令する避難情報が重要です。
代表的には、
警戒レベル3:高齢者等避難
警戒レベル4:避難指示
となっています。
警戒レベル4の避難指示が出た場合、危険な場所にいる人は避難することが基本です。
また警戒レベル5を待ってから避難するのではなく、レベル4までに危険な場所から避難するという考え方が重要です。
大雨警報が出たら学校は休み?
大雨警報が発表されても、必ず学校が休校になるわけではありません。
学校や自治体によって、
「暴風警報が出た場合」
「大雨警報と洪水警報が両方出た場合」
「特別警報が出た場合」
など休校・自宅待機の基準が異なります。
そのため学校から配布されているルールや学校・自治体の公式情報を確認しましょう。
「大雨警報=全国一律で学校が休み」というルールではありません。
大雨警報が出たら会社も休みになる?
会社についても同様です。
大雨警報や洪水警報が発表されたからといって、法律上すべての会社が自動的に休業になるわけではありません。
勤務先の規則や会社からの連絡、鉄道などの交通状況によって対応が変わります。
ただし、警報が発表されるような状況で無理に移動すると危険な場合があります。
会社の指示だけでなく、自宅周辺や通勤経路の避難情報・災害情報も確認することが重要です。
大雨警報・洪水警報が出たら確認したいこと
警報が発表されたら、テレビやSNSの情報だけを見るのではなく、気象庁や自治体などの情報を確認しましょう。
特に重要なのは、
① 自治体の避難情報
② 気象庁の警報・注意報
③ キキクル(危険度分布)
④ 河川の水位情報
⑤ ハザードマップ
です。
「警報が出ているか」だけではなく、自分がいる場所の危険度がどこまで高まっているのかを見ることが大切です。
まとめ
大雨警報と洪水警報の違いを簡単にまとめると、
大雨警報
→ 大雨による土砂災害や浸水害に警戒
洪水警報
→ 河川の増水や氾濫などによる洪水災害に警戒
という違いがあります。
どちらが上、どちらが危険というものではありません。
山や崖の近くなら土砂災害、低い土地なら浸水、川の近くなら洪水というように、住んでいる場所によって警戒すべき災害が変わります。
そして、警報が発表されてから初めてハザードマップを見るのではなく、平常時に自宅や勤務先の危険性と避難場所を確認しておくことが大切です。
大雨のニュースを見たときには「大雨警報か洪水警報か」だけでなく、自治体の避難情報やキキクル、河川の水位などもあわせて確認しましょう。


