日本語を使用する際にしばしば頭を悩ませるのが、漢字の使い分けです。
特に悩んでしまうのが「気をつかう」の区別です。
「気を使う」と「気を遣う」の違いをご存じでしょうか?
実は、正しいのは「気を使う」です。
ただし、「気を遣う」が間違いというわけでもありません。
そもそも、「使う」と「遣う」にはどのような違いがあるのでしょうか? そして、どのように使い分けるべきなのでしょうか?
徹底的に調べてみると、これがまた実に興味深いのです。
この機会にしっかり覚えておきましょう。
Contents
「気をつかう」の漢字について
「気をつかう」の「つかう」は、漢字で書くと「気を使う」が正しいです。
一方、「気づかい」は「気遣い」と書きます。
では、なぜこうした違いが生まれるのでしょうか?
これは、「使」が動詞として使用され、「遣」が名詞として用いられるためです。
そのため、「気づかい」は「気遣い」と書き、動詞形の場合は「気を使う」となります。
「気を遣う」は完全な間違いではありませんが、厳密には「を」は省略し「気遣う」が正しい使い方とされます。
したがって、名詞形の「気づかい」は「気遣い」であり、「気使い」は誤りです。
「気を使う」と「気遣う」の違い
広辞苑によれば、
「気を使う」=周囲の人や物事に細かく心を配ること。
「気遣う」=心配する、懸念すること。
「気を使う」は相手への配慮を意味し、主に相手を立てる際に使われます。
例えば、上司の機嫌を取る場面では「気を使う」と表現します。
この行為は疲れることが多いです。
一方で、「気遣う」は相手を心配する際に使用します。
友人が悩んでいる時や病気の親を気にかける場合、「気遣う」が適切です。
気を使うの敬語
「気を使う」の敬語は「お気遣いいただき」となります。
これは、「遣」が名詞形で使われるためです。この表現は、目上の人に対しても使える敬語です。
気を使うと遣うの漢字の意味と使い分け
本来の漢字の意味は、
「使う」=使用する 「遣う」=派遣する
つまり、
・「気を使う」=気持ちを用いること
・「気遣う」=気持ちを他者に向けること
「気」をエネルギーと捉えると、
・「気を使う」=エネルギーを消費する
・「気遣う」=エネルギーを他者へ向ける
極端に言えば、このような使い分けとなります。
言葉使いと言葉遣いの違い
では、「言葉使い」と「言葉遣い」はどちらが正しいのでしょうか?
答えは明白。
「言葉遣い」が正解で、動詞形の「言葉をつかう」は「言葉を使う」と書きます。
金遣いと金使いの違い
「金遣い」と「金使い」についても、動詞形では「使う」、名詞形では「遣い」が正しいです。
例えば、「金遣いが荒い」と表現します。
色使いと色遣いの違い
絵を描く際に色を使用する場合、「色使い」が正解です。
これは名詞というより動詞として考えます。
しかし、「色遣い」もまったくの誤りとは言えません。
他にも、子どもの「お使い」は「遣い」ではなく「使い」を用います。
特殊な例として、「剣術使い」「魔法使い」「猛獣使い」などがあります。
これらは慣用的に「使」が用いられます。
使うと遣うの違いのまとめ
以上、「使う」と「遣う」の違いと使い分けをご紹介しました。
日本語は本当に複雑ですが、最低限「使う」は動詞、「遣い」は名詞と覚えておけば良いでしょう。
迷ったときは「つかう」「づかい」とひらがなで表記しても間違いありません。
深く考え過ぎず、適度に対応しましょう。