物忘れが気になり始めると、多くの方が認知症ではないかと心配になります。
しかし、通常の加齢による物忘れと認知症には違いがあります。
そこで、「物忘れ」と、家族や友人が心配になる「認知症」の違いについて解説します。
Contents
物忘れとは?
物忘れは、日常生活の中で起こる記憶の一時的な抜けです。
例えば、「どこに鍵を置いたか思い出せない」「最近会った人の名前を忘れることがある」などがこれに当たります。
物忘れは加齢や疲労、ストレスなど様々な要因で起こり得る、ごく一般的な現象です。
認知症とは?
認知症は、脳の病気や障害によって引き起こされる記憶、思考、日常生活能力の著しい低下を特徴とする症状の総称です。
具体的には、新しい情報を記憶できなくなったり、身の回りのことを管理する能力が大幅に低下したりします。
認知症は進行性であり、年齢と共に悪化することが多いです。
物忘れと認知症の具体的な違い
記憶に関する特徴
物忘れでは、思い出せないことがあってもヒントをもらえば思い出せることが多いです。
一方、認知症ではヒントをもらっても思い出せないことが多く、新しい記憶を作ること自体が難しくなります。
日常生活への影響
物忘れは普段の生活に大きく支障をきたすことはほとんどありません。
しかし、認知症は日常的な活動が難しくなり、生活の質が著しく低下します。
進行性
物忘れは一定の範囲内で横ばいであることがほとんどですが、認知症は進行性であり、放置すると重症化します。
受診のタイミング
物忘れが頻繁であったり、物忘れが原因で日常生活に支障をきたすようになった場合は、早めに病院を受診されることをおすすめします。
早期発見・早期治療が非常に重要です。
日常生活での工夫
物忘れを軽減するための工夫として、メモを取る習慣をつけたり、規則正しい生活を心掛けること、適度な運動や脳トレを行うことが効果的です。
物忘れと認知症の見分け方
忘れた内容の性質
物忘れ:体験の一部を忘れますが、後で思い出せることが多いです。
認知症:体験そのものを忘れてしまい、思い出すことが難しいです。
日常生活への影響
物忘れ:日常生活に大きな支障はありません。
認知症:日常生活に支障をきたすことがあります。
時間や場所の認識
物忘れ:日付や時間、場所の感覚は正確です。
認知症:時間や場所の感覚が曖昧になることがあります。
質問の繰り返し
物忘れ:同じ質問を何度も繰り返すことは少ないです。
認知症:同じ質問を何度も繰り返すことがあります。
新しいことの習得
物忘れ:新しいことを覚えたり、習得したりすることができます。
認知症:新しいことを覚えるのが難しくなります。
物の置き忘れ
物忘れ:物を置いた場所を忘れても、探せば見つかります。
認知症:物を置いた場所を完全に忘れ、見つからないことがあります。
これらのポイントを参考に、ご自身や身近な人の様子を観察してみてください。
ただし、専門的な診断は医療機関で行う必要がありますので、心配な症状が続く場合は、早めに専門医に相談することをおすすめします。
物忘れと認知症の違いのまとめ
以上、物忘れと認知症の違いについてご紹介しました。心配や疑問がある場合は、専門医に相談することが最善の選択です。適切な知識と対応を持って、大切な人たちとの豊かな生活を送りましょう。