「起訴されたってどういう意味?」
「略式起訴とは普通の起訴と何が違うの?」
「前科は付くの?」
事件や事故のニュースで「起訴」や「略式起訴」という言葉を耳にすることがあります。
どちらも検察官が裁判所へ事件を持ち込む手続きですが、裁判の進め方や刑罰の決まり方には大きな違いがあります。
この記事では、「起訴」と「略式起訴」の違いを初心者にもわかりやすく解説します。
Contents
起訴とは?
起訴とは、検察官が裁判所に対して「この人を裁判にかけてください」と申し立てることです。
警察が捜査した事件は検察へ送られ、検察官が証拠などを確認したうえで、
- 起訴する
- 不起訴にする
のいずれかを判断します。
起訴されると、原則として公開の刑事裁判が行われ、裁判官が有罪・無罪や刑罰を判断します。
略式起訴とは?
略式起訴とは、比較的軽い事件について、正式な裁判を開かずに罰金や科料を科すための手続きです。
正式名称は「略式命令請求」といいます。
被疑者本人が略式手続きに同意した場合、裁判所は書類だけを審査し、略式命令を出します。
つまり、法廷での公開裁判を行わずに事件が終了するのが大きな特徴です。
起訴と略式起訴の違い
| 項目 | 起訴 | 略式起訴 |
|---|---|---|
| 裁判 | 公開の刑事裁判を行う | 原則として公開裁判は行わない |
| 対象事件 | 幅広い刑事事件 | 比較的軽微な事件 |
| 刑罰 | 懲役・禁錮・罰金など | 原則として罰金・科料 |
| 本人の同意 | 不要 | 必要 |
| 審理 | 法廷で証拠調べを行う | 書類審査が中心 |
最大の違いは、正式な裁判を開くかどうかです。
起訴されるまでの流れ
一般的な刑事事件では、次のような流れになります。
- 事件が発生
- 警察が捜査
- 検察へ送致
- 検察官が起訴・不起訴を判断
- 起訴された場合は刑事裁判へ
一方、略式起訴では本人が同意すれば、正式裁判を経ずに略式命令が出されます。
略式起訴になるケース
略式起訴が利用されることが多い事件には、
- 軽微な交通違反
- 酒気帯び運転(一部)
- 軽い傷害事件
- 軽微な窃盗事件
- 軽微な器物損壊事件
などがあります。
ただし、事件の内容や前科の有無などによっては正式起訴となることもあります。
略式起訴のメリット
1. 裁判が早く終わる
法廷での審理がないため、比較的短期間で手続きが終了します。
2. 裁判所へ何度も出廷する必要がない
公開裁判を行わないため、出廷の負担が軽減されます。
3. 精神的な負担が少ない
法廷で証言する必要がなく、手続きも比較的簡潔です。
略式起訴のデメリット
一方で、注意すべき点もあります。
有罪になる
略式命令が確定すると、有罪判決と同じ扱いになります。
前科が付く
略式命令による罰金刑も有罪判決の一種であり、前科となります。
懲役刑にはならない
略式起訴では原則として罰金または科料のみで、懲役刑や禁錮刑は科されません。
不起訴との違い
混同されやすい「不起訴」との違いも確認しておきましょう。
| 項目 | 起訴 | 略式起訴 | 不起訴 |
|---|---|---|---|
| 裁判 | 行う | 原則行わない | 行わない |
| 有罪になる可能性 | ある | ある | ない |
| 前科 | 有罪なら付く | 付く | 原則付かない |
不起訴になった場合は、裁判自体が行われません。
よくある質問
略式起訴でも前科は付きますか?
はい。
略式命令による罰金刑も有罪判決の一種であり、前科になります。
略式起訴を断ることはできますか?
本人が同意しなければ略式手続きは利用できません。
その場合は通常の刑事裁判で審理されることがあります。
略式起訴になると裁判所へ行かなくてもいいですか?
一般的には公開法廷での審理は行われませんが、個別の事情によって手続きが異なる場合があります。
起訴されたら必ず有罪になりますか?
いいえ。
正式起訴された場合は裁判で審理が行われ、無罪となる可能性もあります。
まとめ
起訴と略式起訴は、どちらも検察官が裁判所へ事件を持ち込む手続きですが、裁判の進め方に大きな違いがあります。
- 起訴:正式な刑事裁判で有罪・無罪を判断する手続き
- 略式起訴:比較的軽い事件について、本人の同意を前提に書類審査で罰金などを科す手続き
ニュースでは「略式起訴」という言葉だけが報じられることもありますが、これは「軽い事件だから無罪」という意味ではありません。
それぞれの制度の違いを理解しておくと、刑事事件のニュースをより正確に読み解くことができるでしょう。


