「埴輪と土偶」、どちらも古代日本の土製品で、歴史の教科書で見たことがある人も多いのではないでしょうか?
しかし、いざ違いを説明しようとすると「えっと…」と詰まってしまう人もいるかもしれません。
この記事では、両者の違いをわかりやすく解説します。
Contents
「埴輪」とは?
埴輪(はにわ)は、古墳時代(3世紀中頃から6世紀頃まで)の日本で作られた素焼きの陶器です。
主に古墳の周囲に配置され、祭祀や儀礼に関する役割を持っていました。
特徴としては、円筒形のものや様々な人や動物、建築物の形を模した形があり、実用的というよりも儀式的な意味合いが強かったと考えられています。
「土偶」とは?
一方、土偶(どぐう)は、縄文時代(約1万年以上前から紀元前300年頃まで)の日本で作られた土製のフィギュアです。
土偶は、人間の形を模倣したものが多く、多くの場合、女性を表現しているとされています。
豊穣を祈願したり、呪術的な儀式の一環として用いられたと考えられており、埴輪とは異なり、より個人的で神秘的な意味合いを持つことが多いとされています。
「埴輪」と「土偶」の違い
時代背景
埴輪は古墳時代、土偶は縄文時代に作られました。
材料
どちらも土で作られていますが、「埴輪」は焼き物(陶器)、一方の「土偶」は焼かない粘土製のものも多いです。
目的
埴輪は主に儀礼や古墳の飾りとして使用され、土偶は豊穣や呪術的な目的があると考えられています。
造形
埴輪はかなり細かな造形がされることが多く、土偶は多種多様な形状があり具象性が強いです。
「埴輪」と「土偶」の見分け方
形と大きさ
埴輪: 家、人、動物など 具体的な形 をしており、比較的大きい ものが多いです。
土偶: 人間を抽象的に表現したものが多く、 顔や身体のパーツがデフォルメ されています。
埴輪と比べると 小さい ものが目立ちます。
発見場所
埴輪: 古墳の周りを囲むように 埋められています。
土偶: 遺跡から出土 します。古墳の周りからは見つかりません。
作られた目的
埴輪: 死者を弔うための 葬送儀礼 に使われました。
土偶: 呪術や儀式など 祭祀目的 で使われたと考えられています。
「埴輪」と「土偶」の違いのまとめ
いかがでしたでしょうか?
埴輪と土偶は見た目だけでなく、その用途や由来、時代背景に大きな違いがあります。
これらの違いを知ることで、日本古代の文化や生活様式について、より深く理解することができますね。
博物館などで実物を見る機会があれば、ぜひ今回ご紹介した違いを思い出しながらじっくりと観察してみてください。