拍手と柏手は一見すると同じように見える漢字ですが、実際には異なる意味を持っています。
拍手(はくしゅ)と柏手(かしわで)は、使われる場面や意味が違います。
柏手(かしわで)はあまり馴染みがないかもしれませんが、神社で参拝する際に手を合わせて音を鳴らすやり方は皆さんご存知でしょう。この行為が柏手です。
今回は、拍手と柏手の違い、それぞれの意味や由来について解説します。
拍手(はくしゅ)の意味と由来
拍手は「拍手喝采」などの言葉で知られているように、拍手は感動した時や素晴らしいと思った時に行う行為です。
両手を合わせて音を鳴らし、喜びや賛成の気持ちを表します。
一説では、拍手の起源は古代ギリシャだと言われています。
観客が演劇を称賛する際に手を叩いたことが始まりです。
手は尊い部分とされており、その手を使って音を立てることで褒め称える意味があるのです。
柏手(かしわで)の意味と由来
一方、柏手は、神様への礼儀として両手を合わせて音を立てることを指します。
この音は2回、4回、8回と鳴らすのがマナーとされていますが、一般の神社では「パン、パン」と2回鳴らすのが一般的です。
伊勢神宮などでは8回音を立てるため、これを八開手(やひらで)と呼びます。
一般的な神社の祭式で行う二拝二柏手一拝などの3回以下の手を打つ行為は短柏手、長回数になると長柏手と言われます。
柏手は願い事を神様に伝えるだけでなく、邪気を払う意味も持っています。
柏手と拍手の違い
改めて柏手と拍手の違いを説明します。
どちらも手を合わせて音を鳴らす行為ですが、その用途と意味が異なります。
拍手は喜びや賛成の気持ちを表現する行為です。
コンサートやイベントでのパフォーマンスに対する称賛を示すために行われます。
拍手は感情を表現する手段として使われるのです。
一方、柏手は神社などで厳粛に手を打つ行為であり、神様への礼儀です。
柏手は「パン、パン」などの音をシンプルに鳴らします。
拍手と柏手の違いのまとめ
拍手と柏手の違いについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
拍手は全世界共通の行為として定着していますが、柏手は神様への礼儀として日本で古くから行われている行為であり、海外の方には理解しにくいかもしれません。
このように、日本語には同じ漢字を使うが意味が異なる言葉が多くあります。
今後、神社や寺院を訪れる際には「パン、パン」と2回鳴らす柏手のマナーを覚えておくと良いでしょう。