「思い」と「想い」、どちらも同じ読み方で同じ意味を持つ言葉ですが、微妙なニュアンスの違いがあるように感じませんか?
実は、この2つの言葉、普段使いでは特に区別する必要はありません。
辞書にも同じ意味として記載されています。
しかし、微妙なニュアンスの違いを知っていると、より言葉の表現が豊かになります。
そこで、「思い」と「想い」の違いと使い分け方を解説します。
Contents
「思い」と「想い」の意味
結論から言うと、「思い」と「想い」は基本的に同じ意味を持ちます。
辞書を参照すると以下のように解説されています。
- ある事柄について考えること、またその内容。「新年の思いを語る」
- 予測や想像。「予想外の結末」
- 願望や希望。「長年の夢が叶う」「思いを成し遂げる」
- 回想や物思い。「秋の夜長に思いにふける」
- 愛情や恋心。「彼女への思いが募る」
- 執念や恨み。「この世に未練を残す」
- 経験からくる感覚。「胸がすっとする思い」「自分だけ良い思いをする」
- 何かを特に大切に考える心情。「親心」
- 喪に服すること、またその期間。
(出典:weblio辞書)
思いと想いの漢字の違い
では、「思い」と「想い」の漢字にはどのような違いがあるのでしょうか?
「思」の意味
「考える」「心に抱く」「思案する」「思索」「意思」など、頭を使って考える行為を表します。
(出典:goo漢字辞典)
「想」の意味
「思い巡らす」「考える」「想像」「空想」など、心に浮かぶイメージや空想を指します。
(出典:goo漢字辞典)
思いと想いの使い分けのニュアンス
「思い」を使う場面
「思い」は主に何かを具体的に考えるときに使われる傾向があります。
「思考」や「思慕」などの単語がこれに当てはまります。
「想い」を使う場面
「想い」は特に感情を伝えたいときに効果的です。
公式文書よりも小説や詩でよく使われます。
「想い」は心に浮かぶ抽象的なイメージや感情を示すときに使われます。
「想像」や「空想」などがこれに該当します。
使い分けのガイドライン
文化庁の書籍によれば、
- 「思う」は広い意味で使われる。
- 「想う」は特定の対象を心に浮かべる感情が強い場合に使われる。
このため、迷った場合は「思い」を使うのが無難です。
ビジネス文書では「思い」が一般的に使われます。
具体的と抽象的
さらに具体的には、
- 「思い」は具体的な事柄や感情に用いる。
- 「想い」は抽象的なイメージや感情に用いる。
例えば、
- 具体的な記憶は「思い出」
- 抽象的な記憶は「想い出」
- 具体的な悔しさは「悔しい思い」
- 抽象的な悔しさは「悔しい想い」
思いと想いの違いのまとめ
「思い」と「想い」は基本的に同じ意味を持ちますが、ニュアンスとしては、
- 「思い」→頭で考えること
- 「想い」→心で感じること
と覚えておくと良いでしょう。
迷った時は「思い」を使えば問題ありません。