高齢者向け施設と言えば、老人ホームを思い浮かべますが、よく似た施設に宅老所というのがあります。
こちらは「宅老所」と呼ばれる介護施設で、認知症や障がいを持つ人々のための場所です。
「宅老所」とは? 宅老所は具体的にどのような施設なのでしょうか?
老人ホームとは何が異なるのでしょうか?
費用や介護保険の適用状況についても気になるところですね。
そこで、宅老所と老人ホームの違いについてわかりやすく説明します。
Contents
宅老所とは?
宅老所とは、文字通り「託児所」の「児」の部分を「老」に変えた概念で、介護施設を意味します。
1991年に福岡県の「伝昭寺」というお寺内に「よりあい」という宅老所が開設されたことが始まりとされています。
この「よりあい」ではお寺の一部を利用して高齢者の預かりサービスが開始されました。
このコンセプトはその後、富山県の「このゆびとーまれ」などの宅老所にも広まりました。
宅老所と老人ホームの違い
宅老所は老人ホームのような大規模な施設とは異なり、一般の民家などを利用して介護サービスが提供されます。
主にデイサービスを中心とし、自宅のような環境で過ごせるのが特徴です。
また、宅老所は「地域共生型サービス」の一環として運営されており、障がい者や子どもも含め、利用者のニーズに対応したサポートを行います。
宅老所のサービス内容
宅老所は主に以下の3つのサービスを提供しています。
- デイサービス:日帰りでの利用がメインで、入浴、食事、レクリエーションなどのサービスが受けられます。
- 訪問サービス:利用者の自宅にヘルパーが訪れ、食事、入浴、排泄などの支援を行います。
- 宿泊サービス:デイサービスに加え、宿泊も可能で、短期から中長期までの滞在が可能です。
宅老所のメリット
宅老所の最大の利点は、規模が小さいため柔軟に対応できる点です。
老人ホームなどと違い、数ヶ月前からの予約が不要で、急な宿泊依頼にも対応してくれます。
自宅で介護をする家庭には助かるサービスです。
宅老所の費用について
宅老所は老人ホームのように一律の料金設定がなく、施設ごとに料金が異なります。
例えば、入居費用が0円で、月々10~12万円の施設もあります。
また、介護保険の適用可否によっても料金は変動します。
介護保険の適用について
宅老所には介護保険が適用されるところと、そうでないところがあります。
介護保険利用を希望する場合は事前に確認することが重要です。
介護保険を利用した場合の費用
介護保険を利用した際の宅老所の利用料金は以下の通りです(目安)。
- 要介護1〜5:
460円~740円(4~5時間)
700円~1,200円(5~6時間)
720円~1,250円(6~7時間)
宅老所の課題
宅老所を利用する際には以下の点に注意が必要です。
- 設備の充実度:民家を利用するため、身体機能補助設備が十分でない場合があります。
- サービスの質:小規模施設のため、スタッフ数が少なく、観察や監視の目が行き届かないことがあります。
宅老所と老人ホームの違いのまとめ
宅老所は地域共生型サービスとして運営され、大規模な老人ホームとは異なり、家庭にいるような環境で介護を受けることができる施設です。
柔軟な対応が可能で、利用者のニーズに応じたサービスを提供しています。
一つの介護の選択肢として考えてみる価値があるかもしれません。